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  • 執筆者の写真鈴木孝紀

神を知っている(2018.1/20栃木EMFにて)


 皆さん、新年明けましておめでとうございます。今年1年も皆さんに、主と共に歩む人生を楽しさがあるようお祈りします。

 今日は、1ヨハネ2:3-6を見ていきたいと思います。

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もし、私たちが神の命令を守るなら、それによって、私たちは神を知っていることがわかります。神を知っていると言いながら、その命令を守らない者は、偽り者であり、真理はその人のうちにありません。しかし、みことばを守っている者なら、その人のうちには、確かに神の愛が全うされているのです。それによって、私たちが神のうちにいることがわかります。神のうちにとどまっていると言う者は、自分でもキリストが歩まれたように歩まなければなりません。(1ヨハネ2:3-6)

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1.偽りの「神を知っている」

 今日の箇所では、「神を知っている」と公言しながらも、神の戒めを守らない人々に対して、使徒ヨハネが触れています。この「知っている:ギリシャ語でγινώσκω(ギノースコー)」という言葉は、「体験的に知っている。腹に落ちている。」という意味です。その意味で、ヨハネは3-6節、「あなたがたが神を体験的に知っているというのなら、あなたがたの行動は知っている者として相応しいものになっているはずだ。」と主張しました。

 この時、教会内で幅を利かせ始めていた偽教師達の特徴は、(1)人となった神の御子キリストの否定(1ヨハネ4:2)、そして随所にあらわれる(2)自らを特別とする高慢です。彼らが高慢になる最大の原因は、「私は誰よりも『神を知っている』」という自負心、プライドでした。

その結果、教会内において神の家族を区別し始め、より特別な、よりエリートな集団のみが神に近づけるという主張さえし始めたのです。「『牧師』しか神を本当に理解することはできない」と言えば、その主張がいかに愚かで独りよがりなものかを理解できるでしょう。

 ヨハネは手紙の後半で、「神の命令とは、私たちが御子イエス・キリストの御名を信じ、キリストが命じられたとおりに、私たちが互いに愛し合うことです。」と言いました(3:23)。偽教師達は、口では「誰よりも神を知っている。」と言いつつ、実際には神も、神の命令さえも知らなかった。素晴らしい豪華な服を着ていると思い込む裸の王様のように、彼らは何も知りませんでした。

2.神を知ること

 さて3-4節でヨハネは、「神を知っているなら神の命令を守る」という原則を提示しました。5-6節では「みことばを守る、神のうちに留まる」という言葉に置き換えています。ここでヨハネは、彼自身の主張が律法主義、「律法を守ることによって救われる。守ることで神にとって特別なものとされる」という考えではないことを示したのです。律法主義ではなく、それこそが神を知ったクリスチャンの性質で、神を知っているという事の目に見える証拠なのだと、ヨハネは説明しました。

 「知る」というのは、人生でたった1回の出来事ではありません。私は、19歳の時に、聖書に記されている神こそが私の神なのだということを知りましたが、その時完全に神を知ったわけではありません。学校で、仕事場で、対人関係の中で、喜び、楽しみ、時に怒り、傷つく。

そういった日常の中で少しずつ、徐々に、神様のことを知っていったのです。神が私を通して何をしようとしているのか、何をさせたいのか、神の御心が何なのか。みことばによって、祈りの中で、時に人の口を通して知っていきました。そして、未だその途上です。

 神を知る、というのは継続的なことです。日々の生活の中で、深められ腹に落ちていく経験を、皆さんもしたでしょうし、これからもします。

​​ ナルニア国物語で有名なC・S・ルイス(1898-1963)は、「車はガソリンで走る。神は、人間が神によって走るように設計された。神ご自身が燃料となり食料とならねばならない。それ以外に幸せになる道はない。」と言いました。​​

 私たちにとって神を知ることこそが、神を愛し、神の命令を守ることの最短ルートなのです。内側のタンクに神からの愛が入り、その愛によって初めて、私たちは人々と愛し合い、そして神を愛することが可能となります。外側からの変化ではなく、その人の内側に変化が起きる事によって、外側が変化するのです。

 今年1年も、神を知り、互いに愛し合う生活を歩んでいきましょう。神ご自身がそれを可能にし、私たちに力を与えて下さいます。

執筆:峰町キリスト教会 牧師 鈴木孝紀

1991年栃木県宇都宮市で、3人姉弟の末っ子長男として誕生 宇都宮大学生1年次に信仰を持つ

宇都宮大学 工学部情報工学科卒 関西聖書学院卒

現在、峰町キリスト教会牧師

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