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執筆者の写真鈴木孝紀

「偶像を警戒しなさい」(2019.9/14栃木EMFにて)


  みなさん、こんにちは。日が暮れるのも早くなり、涼しい夜が増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。今回で、第1ヨハネの手紙を初めから終わりまで見てきたことになります。ともに、ヨハネを通して書かれた神のみ言葉を味わっていきましょう。

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神によって生まれた者はだれも罪の中に生きないことを、私たちは知っています。神から生まれた方が彼を守っていてくださるので、悪い者は彼に触れることができないのです。私たちは神からの者であり、全世界は悪い者の支配下にあることを知っています。しかし、神の御子が来て、真実な方を知る理解力を私たちに与えてくださったことを知っています。それで私たちは、真実な方のうちに、すなわち御子イエス・キリストのうちにいるのです。この方こそ、まことの神、永遠のいのちです。子どもたちよ。偶像を警戒しなさい。(1ヨハネ5:18-32)

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涼しい秋の様子

1.使徒ヨハネのメッセージ

 今日の箇所は、1ヨハネの結論です。使徒ヨハネは、これまで手紙で伝えた内容を再度3つ取り上げ、最後にタイトルの言葉を愛するクリスチャンへと残しました。

 1つ目は18節「神によって生まれた者はだれも罪の中に生きないこと」。3:9でも「だれでも神から生まれた者は、罪を犯しません。」と語られています。3章においては、「神の種(聖霊)」が私たちに義を行う力を与えてくれるという約束がありました。5:18では、「神から生まれた方(イエス・キリスト)が、彼を守っている」為、悪魔はクリスチャンに触れることさえできないとあります。

 2つ目は、19節「私たちは神からの者であり、全世界は悪い者の支配下にある」。ヨハネの福音書では、悪魔が「この世を支配する者(ヨハネ12:31)」と呼ばれています。私たちがイエス・キリストを信じたとき、私たちの支配は神に移りました。しかし依然として世全体は悪魔の支配下にあります。世には、罪による死だけでなく、悪魔の誘惑や嘘が確実に存在します。クリスチャンはそのような世界の中で、神に従い生きる存在です。

 3つ目は、19節に続く言葉で20節「神の御子が来て、真実な方を知る理解力を私たちに与えてくださった」ということです。イエス・キリストを通して、私たちは初めて父なる神を知りました。悪魔は最終的に死を与えますが、真実なる神は永遠のいのちを与えます。クリスチャンは悪魔が支配する世の中で生きていますが、関係は神に結ばれています。

 以上のことを確認し、ヨハネは最後の言葉を記します。21節「子どもたちよ。偶像を警戒しなさい。」ヨハネはこの手紙で、「子供たちよ。」から始まる様々な警告を残しました。(2:12,2:28,3:7,3:18,4:4) ヨハネは、同じ信仰持ったクリスチャンに対して大きな愛を持っていました。そして彼の愛は、ただ受容するに留まらず、見つめるべき方向を指し示そうと愛の警告を残します。 彼の警告は「偶像を警戒しなさい。」です。

メッセージ

2.偶像とは何か

 旧約聖書において、「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。(申命記5:7-8)」という偶像に関する記述があります。実際イスラエルの周辺では、様々な神が木や石によって像とされ拝まれていました。また使徒の働きでは、神々の偶像で溢れているアテネの町が描写されています。現代の日本においても、仏像や御神体、地蔵といったものは身近な存在でしょう。

 しかし偶像というものは、目に見える形だけが全てではありません。旧約聖書において「自分たちの偶像を心の中に秘め(エゼキエル14:3)」とあるように、偶像は心の中、人の目には映らない部分に入り込むものです。

 牧師であるティモシー・ケラーは著作「偽りの神々」で、次のことを述べています。「聖書が警鐘をならす、金銭がそれ以上の存在になりうることに、現代の私たちの多くは納得できるのではないでしょうか。……悪いことに私たちはあまりにも「欲の文化」の問題だけにとらわれてしまっているので、……、最も根本的な真実に気づかないのです。つまりどんなものでも偶像になりうるし、実はすべてが偶像だったということを、です。」(p.14-15)

 私たちはわかりやすい偶像には警戒しますが、わかりづらい偶像には無警戒です。一見して有益で、便利かつ良いものの時、私たちはそれを偶像とは見ません。しかし、それらが私たちの心を支配する時、それは明らかに偶像なのです。もし何かが無くなった時に、存在の全てを否定されたように感じたり、全てを失ったように感じたりするのであれば、それはあなたにとっての偶像だったわけです。

 20節で「まことの神、永遠のいのちです。」と言われているイエス・キリストよりも、私たちに大切なものがあるのであれば、今一度考えてください。その大切なものは、あなたに永遠を保証するものでしょうか。それは、あなたに永遠のいのちを与えるものでしょうか。それは、あなたの全てを知り、あなたの人生の初めから終わりまで一緒に居てくれるものでしょうか。 この質問に最後まで「はい、Yes」と答えられるのは、神の御子イエス・キリストしか存在しません。ともに神の子とされた者として、まことの神を心の中に置く者でありましょう。

お金

執筆:峰町キリスト教会 牧師 鈴木孝紀

1991年栃木県宇都宮市で、3人姉弟の末っ子長男として誕生 宇都宮大学生1年次に信仰を持つ

宇都宮大学 工学部情報工学科卒 関西聖書学院卒

現在、峰町キリスト教会牧師

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